井上陽水

「夢に向かって頑張ってチャレンジする大切さを彼女は一生懸命に歌ってくれてます〜☆」

ソイツが歌わんでも誰かが既に歌ってくれてるよ、と深夜の音楽番組のMCにツッコミを入れてしまう午前3時過ぎです。手垢にまみれた類の歌ばっかり歌いやがって。電波の無駄使いだ。

それにしても井上陽水は最高です。きっと彼は誰の為にも歌ってません。誰かの為に歌ってあの歌詞なら、俺は詐欺だと思います。あの堂々とオナニーしてる感じが大好きなのです。

何かの音楽番組で「あのメロディにはこの単語がはまったんで…」と面倒臭そうに歌詞について語っていた陽水。あの散文的で文学的な歌詞に、特に意味がないと知った時は笑ったな。
意味が無いというのがいい。意味がないことを認めて、恥ずかしそうに笑う彼が好きだ。意味がないのに、どうしても意味があるように思わせるようなところも好きです。実は物凄い意味が隠されてるんじゃないかとも思う。

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胡散臭い歌詞や、無駄に雄弁な愛の歌、自己陶酔とナルシズムの果てに難しい歌詞をこねくり回してるええ格好しいより、俺は幾ばくか井上陽水の単純さと正直さを支持してしまう。

もちろん比較的意味が分かりやすい歌は彼にもあるけれど、そういうのは何故かいいとは思わない。分かるようで分からない、分からないけど分かる。不思議なアーティストです。俺は基本的に意味が分からないモノは嫌いなんですが…不思議。

『窓の外ではリンゴ売り/声をからしてリンゴ売り/きっと誰かがふざけて/リンゴ売りの真似をしているだけなんだろ』(氷の世界)

『あこがれは/鮮やかなランブリングサマーシャドウに/夢みているだけ、笑って/映画の夢/それはパラダイス、ハリウッド/誰かにバッタリ、恋がめばえたり』(Make-up Shadow)

意味分からんだろ?

でも俺はこういう男が一人いてもいいと思います。