償い

2日連続の更新。意外と続くじゃないか、このブログ。

さてさて、このブログサイトは書籍や映画・音楽の紹介ができるみたいなのでそういうのもやっていこうと思う。ただし期待はしないで欲しい。この手の分野には精通していないので(そもそも俺に精通した分野などない)、まともに批評したりするほどの知識や筆力は俺にはありません。


償い~SONGS OF LIFE


ということで、記念すべき第1回目はさだまさしの「償い」です。

意外なところから入りました。おまけに古い。でも、是非紹介しておきたい一曲なのです。

この曲に出会ったのは、今年の春休みでした。YouTubeで偶然見つけ、「たまにはフォークソングでも聴いてみるかぁ…」と思ったのがきっかけ。本当に気まぐれでクリックしたんだけれども、一時期、エンドレスリピートしていたぐらい良い歌なのだ。

交通事故によって人を殺めてしまった青年「ゆうちゃん」が、犯した罪の苦しさを人知れず背負い続け、殺してしまった人の奥さんに毎月の給料を郵送しながら贖罪の人生を歩んでいるという姿を、その事実を唯一知る「僕」の客体的な視点から歌い上げた名曲です。

実話を元にさだまさし先生が書き上げたらしい。悲哀に満ちたメロディライン、具体的な情景描写の歌詞に心を打たれる。「貯金が趣味のしみったれた奴だ」と仲間に笑われながらも、ひたむきにせめてもの償いをする「ゆうちゃん」の姿に人間の誠実を感じることができる。


茨城土浦の無差別殺傷事件にしろ、山口光市の母子殺害事件裁判にしろ、自分の快楽の為に人を殺しておいて謝罪の言葉もない。


「人間て哀しいね/だってみんな優しい/それが傷つけあって/かばいあって」


歌詞の中にこんなフレーズがあるのだけれど、この歌詞にちょっぴり懐疑的になってしまうような現代を俺たちは生きてるようです。実際にある裁判で裁判長が、強盗殺人を起こして反省が見られない少年達に『さだまさしの「償い」を聴けぇ!』と言い放ったこともあるそうな。

今の時代、こういう曲が必要なのかも知れませんね。これは非常に情けないことだ。「I love you,I want you」的な安っぽい言葉が並べられた歌が溢れた、浮ついた現代社会に喝です。

ただ、こんな偉そうなことを言う俺のCDラックにはそんなチンケな歌ばっかりなのが恥ずかしい。

YouTubeで検索したら出てくるので、是非聞いてみて下さい。さだまさし、いいよ。「案山子」、「広島の空」もお薦めです。


PS.少し補足しておくと、この曲で最終的に「ゆうちゃん」は許されることになります。殺めた人の奥さんが彼の気持ちを受け取り、逆に彼を気遣うんです。「アナタの人生を元に戻してあげてください」と。その一連の流れに「僕」は「もらい泣き」してしまう。被害者も加害者も、外野も泣いたのだ。

最近は被害者ばっかりが泣かされ、やたらと加害者の人権を守ろうとする傾向ばかりです。もうちょっと、この曲みたいな美談は聞こえてこないのか。それにしても死刑廃止論しかり…おっと、あんまり政治的なことを言うのはよくないですね。そういうブログじゃない。

でわでわ。